やった日 忘れた
絶頂

Remember11 -the age of infinity- (PS2版)

プレイ済みの人、かつ理解している人向けの考察かも

事前情報と購入動機
 Ever17が余りにも面白かったから即買いの意向を示した。



ストーリー概要
 雪山遭難中の女と特殊隔離施設の男の人格が入れ替わっちまったよ
ヤベえどうしよう、という感じの内容。



シナリオの感想とか
 前作よりもさらにギャルゲ臭は激減、恋愛要素はほぼ0。
てか公式的にもSF物って感じで謳っておりますが、
どうしようとギャルゲはギャルゲです。気持ちはわかりますが、惜しかった。

 前作が圧倒的なシナリオだったので、否が応にも期待は高まります。
ストーリー的には概要みたいな感じですが、流石に一筋縄では行かないこのシリーズ。
プレイヤーの予想を何もかも裏切ってくれます。この騙され感、やはり良い!
推理物とか好きな人には堪らないかも。

 しかし今作は最後に最大の落とし穴が。
謎をほとんど投げっぱなしてまさかの終局。
一応ヒントを撒き散らして終わるのですが、「…へ?これで終わり?」となること受けあい。
やるせなさマックスハート。

 ほんと、違う意味でビックリしました。途中のトリックとかは凄く良いんですがね…。
何でこうなっちまったんだろ、みたいな終局。


 今作での失敗点は、制作スタッフがEver17の成功要因を履き違えた事だと思います。
確かにEver17のシナリオは、類を見ない斬新さでした。
ゲームでしか出来得ないシナリオを書き切り、
そのシナリオ構造は多くのユーザーを驚愕させたと思います。

 しかし、好評を得た最大の要因はそこでは無かった。
シナリオ構造の素晴らしさは確かなのですが、
そのシナリオを経て最後に生まれたカタルシスこそ、
Ever17が高評価を得た最大の要因だったのではないかと思うのです。

 ぶっちゃけて言うとハッピーエンドかどうか。
Rem11のシナリオは構造的にはEver17と似ている上、
試みている事やギミックの精細さではEver17の上を行くくらいだと思います。

 Ever17以上に凝ったシナリオ構造で、
それだけを評すればEver17以上の評価を得て当然なのですが、
何故それが受け入れられなかったのか。

 それは、その凝ったシナリオの先に待ち受けていた物が
ユーザーにとって望まざる物だったからなのではないでしょうか。


 だってさ、端的に言うと、「楽しくない」んだもん。確かに凄いよ。凄いのは認める。
だけどさ、楽しくないんだ。最終的にそんな事を言われても。

 制作者的には満足だったのかもしれません。しかし見事に独りよがりだった。
Ever17も独りよがりだったのかもしれません。しかし受け入れられた。楽しかったから。
最後に爽快だったから。

 Rem11では、より一層のギミックを盛り込んだ。
けれどそれは、ユーザーの事を考えてはいなかった。
結局どれだけ物語の構成が優れているかなんて問題じゃないんだ。
楽しいか、楽しくないか。

 シナリオ構造やギミックばかりに目が行き、
ユーザーの求める物を提供できなかったのがRem11の敗因なのではないでしょうか。

 しかし、ホント、ああ、何だこのやるせなさは。
必死に「第3視点!第3視点が今開眼する!」とかやってた俺はいったい…。



その他・システムとか 
 演出面やシステム面などは2004年当時では最強です。
元々システムに定評のあるKIDが総力を挙げて作った、という感じでした。
当時ではギャルゲ1でしょう。てか2006年の今でもトップクラスかもしれません。
OP曲での演出とかは普通にスゲエと思いました。

 あと、普通の選択肢形式ですが難度がかなり高め。
日頃ヌルいギャルゲばっかやってるせいか苦戦しました。

 現在は廉価版出ております。
This story is not end yet.――it is infinity loop! したい方は是非。



評価 
総合
80
シナリオ
80
音楽 70
萌え 15
泣き 20
エロ -

萌えキャラ:こころん

半年経って覚えてる度:95%
忘れたい

 


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