やった日 05.8/16
絶頂

最果てのイマ



試合前のコメント
 2004年くらいから情報は出てた気がするも延期を繰り返し、忘れかけた頃発売。
愛しのロミオ新作。久々。なんかもう、出ただけでフィナーレ感。



ストーリー概要
 気の合う仲間達と放課後のいつもの場所でだべる、そんな淡い日常風景をベースに
(中略)
 ある意味シナリオの最果てへと至る物語。



シナリオの感想とか
 とりあえず、凄い。思わず
「しゅ、しゅごいのぉぉぉ〜!!」
と絶頂してしまう程凄い。良い意味でも悪い意味でも。

 圧倒的質量。どこまで行くんだロミオは。と言いたくなるような地平。
ただただその質量に押し潰されるだけ。最恐、最凶のシナリオ。
いいのかコレは。ここまでしていいのか?

 とにかく、第一印象としては、とりあえず凄いとしか言いようがないシナリオでした。


 とりあえず凄いシナリオの事は置いておいて、まずはやはりセンス点。
あくまで自分の中ではですが、田中ロミオ氏のテキストは他の何よりも群を抜いてます。
常軌を逸しかけたハイセンスっぷりは自分にとって至高の果実ですよウヒハッ。

 爆笑モノのギャグが散りばめられる日常シーンはとにかく楽しくて、泣きそうで。
末端の文章一つ読むだけでも楽しめるってのは希有なライターであります。

 そして『神樹の館』を経て語彙がさらにパワーアップ。お前しか使ってないんじゃないか、
そんな単語群は時として詠み人知らず。(意味不明) 
そしてそれらの語群をロミオ氏は日常的に使ってる節がある。恐ろしい。そしてわかりづらい。

 段々とロミオ氏本人にしかわからなくなってきてるんじゃないか、
むしろそのうち独自の言語を使い出すんじゃないか、と多少心配にもなりますが、
まだ大丈夫です。多分。


 そしてシナリオ構成。これが本作最大の難関でしょう。一応ネタバレ反転します。


> 本作のシナリオは、煽り文「千々に撒かれたパズルのピース」そのままに、意図的にシナリオがバラ撒かれています。チャプター毎の繋がりに隠しようのない違和感。そしてそれがクリアするまで(しても)ずっと続きます。一生出れない迷宮に迷い込んだようです。解決策は2周目のみ。この長さで2周目って…。しかも2周して解決するかどうかはプレイヤー次第。答えはロミオ以外誰にもわかりません。


 それに加え、やや新機軸な「ブログシステム」も難解さに拍車をかけます。
文章中にあるリンクを選択するとその説明やシーンが挿入され、
その挿入された先にもまたリンクがあったりするのですが、
それを繰り返して段々と階層が深くなっていくと、
一番最初のリンク元のシーンから5時間くらい経ってたなんてことも。

 戻ってきたら話がどこまで進んでいたかめっきり忘れてしまう恐れもあるこのシステム。
理解するのに時間がかかる本作のシナリオでは今イチ合っていない感じがしました。

 リンクシステムを含め、とにかく先が見えない構成。見えなさすぎて嫌になってくる。
プレイヤーを完全に置いてけぼりにした構成は、
人を選ぶと言われる他のロミオ作品よりもさらに段違いに上かもしれません。


 客観的に見るとファッキンとしか言いようがないです。誰がついていけるというのか。
そもそもこの構成にあんまり必要性を感じません。確かに、深くなるでしょうが…。
普通に繋いでも良かったんじゃないかって気もしますのです。


 ロミオお得意の厭世感も健在。人は一人だし、世界は最悪。
そんな感じのテーマが主人公のセリフを借りてそこかしこに。

 今までも似たようなもんですが、今作はその比率がかなり高いような気もします。
同意することは無いし、真に受ける必要も無いんですが、読んでて嫌になる人も多いでしょう。
無論同意できる人、ここが面白いって人もいるでしょうが。
個人的には幾度となく見てるので…もういいかな、って。そう思いました。


 そんな今作は、手放しに面白いと褒められるものではなく、
かと言ってその試みを全面否定できるものでもなく、何というか、
絶対的に認めざるをえない物の一つにカテゴライズされる気もします。
でも、多くの話題作がそうであるように、賛否両論となる作品なのではないでしょうか。
突き抜け過ぎたというか。まさに最果て。

 しかし、とりあえずロミオ分は充足しました。
「面白いゲームがやりたい」という人にはお勧め出来かねますが、
「田中ロミオのシナリオが読みたい」という人にはお勧めです。
もしくは一瞬で全てが理解出来る方に。



その他・システムとか 
 ブログシステムについては上で述べてますが、このシステムで選択肢も兼ねてします。
ちょっと斬新だと思いました。他は特になし。


 クラシックが流れたりする音楽は良い感じです。
エンディングの歌なんかは繰り返し聞いてそれだけで泣けるくらいですが、
アレ?シナリオ的にそんなんだったかな?と首を傾げる歌詞な気も。


 一つの到達点であるシナリオ。限られた人しかついていけないシナリオ。
それも勿論、アリなのかもしれません。

 でも、いっそ普通に学園モノで程々に寂寥感が得られるようなシナリオだったら。
まだまだ人として低俗である私は、そんなことをユメミルのでした。



評価 
総合 70
シナリオ
90
音楽 70
萌え 55
泣き 75
エロ 2

最萌えキャラ:あずさ汁

半年経ても覚えてる度:80%
実は2週目途中でヤメてたり

 


戻る