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なみだ橋をわたって
新作なのに懐かしい、これいかに
普通の人には見えない異形のモノが『見える』主人公が、
ツンデレ従姉妹やその辺に落ちてたロリ娘や巨乳と出会いつつ、
田舎風学園生活を送る伝奇系ジュブナイルストーリー。
異形が見えちゃう主人公の如く、
発売前からこのゲーム自体に黒いモヤみたいなのが見えた人は私だけでしょうか。
発表から発売までの期間、目減りするヒロイン、変わる設定、謎の低価格。 17秒で終わるインストールと660MBの容量。
でも何故かサントラとドラマCD付き。
ああ、見える。黒いのが見えちゃう。
ひとまずテキスト面から。 終始ハイテンションでお送りする主人公のギャグは中々のセンス。 ちょっぴり黒須太一を彷彿とさせるインチキ英語や叫び&自虐系のギャグ、 豊富な語彙と雑学知識など、テキストの勢いはかなりのモノでした。
しかしそれが完全にシナリオと、そしてシステムに合っていません。
本作はビジュアルノベル形式。画面全体に文字が表示されるタイプですが、 ハイテンションでひたすら押すタイプの文章と全く噛み合っていないような。
ADV形式、つまり1文を1クリックで飛ばす形式だったなら
流れるようなハイテンションギャグも面白く感じたかもしれません。 しかしノベル形式では勢いのみのギャグがページ内に残ります。
ノリだけで書かれたみたいな文章が1ページに渡って書かれていると、 過去の恥ずかしい出来事を思い出しているかのようで痛々しいです。 勢いがウリなのに、その勢いが完全に死んでいる気がします。
さらに、立ち絵というモノが存在しないという訳のわからない試み。 無かったら無いで小説のような文体ならまだしも、 実際に繰り広げられるのはひたすらハイテンションの狂騒。 それらが相まってギャグが何だかえらく寒いことに。
ギャグが面白いかどうかは各人のセンスに依る所も大きいと思うのですが、 ギャグそのものよりもノベル形式との関係が水と油。 すっごい真面目な映画にお笑い芸人が出てるかのような空回り感。
書いてた時期が相当昔だったのか、
2000年前後くらいと思しきネタも中途半端に古く感じられ、
ギャグセンス自体はけっこう自分寄りだなと思ったのですが 前述のような理由でクスリとも笑えませんでした。残念です。
また、そんなテキストで書かれる主人公が常に躁状態なのもイマイチ。
ノベル形式なのに地の文は少なく、真面目なシーンもあってこそのハイテンション。
しかしシナリオ全体での割合は(マジメ5:おバカ95)くらいのバランスだったのもイマイチ。
ネタ出しを引っ張りすぎ。
ということでシナリオ面。
上記のように、真面目に試合運びして欲しい局面ですぐにおちゃらける主人公に辟易しつつも、
シナリオ自体の流れはけっこう面白かったです。
しかしこれまた、伏線を張りまくった挙げ句に、
解決せずに放置するという未完成っぷりを披露してくれています。
物凄く熟読すれば分かるのかもしれませんが、
どう考えても1つルートが足りないような気がします。
毎日4人のキャッチが入るのに3人分しかルート無いし。
どう見てもバッドエンドというオチがあったりするのはまだ良いとしても、
肝心の『なみだ橋』すら放置するのは意味がわかりません。 私の読解力不足の可能性もありますが、結局何の意味があったんでしょうか。 疑問という不発弾を抱えたまま終了する感覚はある意味斬新です。 誰か教えてください。マジで。
と思ってたんですが、ドラマCDを聞いたら解決しました。 4つめのルートはここにありました。 ドラマCDて…。それはアリなのか…?
CGはボチボチ美麗め。 但し立ち絵が無いので異様にボリュームが少なく感じられます。
本編終わっても何故かCGが全然埋まってないと思いきや、
『オマケH』とやらのコーナーで一気に回収されるし、ああもうなんだか、
ノルマのエロシーンを先に作ってたけど組み込めなかったというのが目に浮かぶようです。
おしなべて言える事は、未完成。
ここまで歳月をかけといて未完成というのもどうかと思いますが。
むしろお蔵入りしたのを出してきた、みたいな。
しかし、設定や素材は良かったです。全貌が掴めないまでも、 出来れば完成形の物語が見たい話でもありました。ドラマCDナシで。
いやホント、ちゃんと書いてればすげぇ面白い話だと思うのに…
本編でのエロスは薄めの方向、かつ各ヒロイン1回ずつ。 しかしオマケHは各3回あり、計4シーンずつのエロスがあります。
本編と地続きっぽい導入から始まるそのオマケHの状況がまた難解極まりなく、
さっき見たエンディングは何だったのかと思わず反芻。
オマケと割り切ってエロシーンだけを見たとしても、
まあ普通レベル程度だと思いますです。
特に際だったシチュエーションやプレイも無く、
目を引く所はロリキャラの断崖絶壁の胸部くらいでしょうか。
貧乳好きなら…ということで…
無骨な外観の設定画面(WINのやつそのまま)であるコンフィグには
少々目眩を覚えましたが、項目自体は多岐に渡る為合格点。 サウンド&ボイス設定や文字表示設定、ショートカットキーの割り当てなど、 一通り以上は揃っていると思います。
本編のシステムはビジュアルノベル&選択肢形式。 選択肢は4つしかないというか1回選んだらそのまま各ルートに入る親切設計。 難易度は限りなくゼロ。
CD認証アリます。
ん、何だろう、この、階段でスカートを押さえるブ○を見た時のような感じは。
そんなのどうでもいいよ!みたいな。
BGMは14曲と少ないながらも概ね良好。 シーンに合ったBGMで良い具合に感情を煽ってくれますが、 そのシーン自体がいっつもスラップスティックなのはご愛敬。
そして本編に解決を盛り込まないドラマCD方式は認めがたい所業。 読みたいのであって、聞きたくは無い所存であります。
悔しいからテキトーにまとめときました。聞くのがめんどい人はどぞ。下の方にあります。
総合 |
50 |
シナリオ |
55 |
音楽 |
65 |
萌え |
5 |
泣き |
0 |
エロ |
1 |
萌えキャラ:はるる
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