やった日 05.6/21
絶頂

ひぐらしのく頃に



事前情報と購入動機
 オタ界隈で人気が過熱していた同人サウンドノベル。
選択肢すら存在しないらしく、興味津々。
解明編の発売と同時に2本買ってみた。



ストーリー概要
 怖かった。



ひぐらしを俯瞰して
 ノベルゲームにして選択肢は無し、果たしてこれはゲームなのだろうか。
この形式に意味はあるのか。プレイヤーはクリックするだけのゲームは、ゲームと呼べるのか。


 私は元々ギャルゲの選択肢に意味が見出せない人です。
結局結末は同じ、そこに至る為のルート分岐スイッチでしかないではないですか。
いっそ無くてもいいやと思っています。正解選択肢のみの攻略サイトを見る事もままあります。

 結末どころかそれまでの展開すら決められたストーリーを読むのに、
何故途中で詰まらなくてはならないのか?

 どっちを選ぼうが1行だけ違うテキストに、
とりあえず入れときましたみたいなバッドエンドに、伝えたい事はあるのか?
そこに意味はありません。そしてそんなゲームは大半です。

 それでもなお保守的な考えで、選択肢はあった方がいいかもしれない。
このゲームをプレイする前は思っていました。

 選択肢を選ぶという演出とか、リズムとかも存在しますし、
それがギャルゲの小さな小さなゲーム性であるのだろう、と。
それすら無いという「ひぐらし」はゲームと言えるのか。

 プレイした後では間違いなく断言できます。
ゲームと呼べるかどうかどころでは無く、ある種、一つの究極のゲームの形であったと。


 前述の通り本作はミステリ物、推理物です。しかしそのアプローチは特筆に値します。
やってることは「上下巻の推理小説を上巻だけ発売」に近いです。
正解はまた今度、さぁ皆で考えてね!って感じです。

 しかしそれこそが現代においての爆発的ヒット要因になったのでしょう。
ネット上での持論の展開と謎に対する議論。
ユーザー各々が本作を題材に推理し、意見を交換する。
全く新しいノベルゲームの形、これをゲーム性と言わなくて何と言うのでしょうか。

 また、もちろんそれに耐えうるシナリオと演出も見事でした。
最終的には「上下巻の上巻」に留まらず、
「3部作の上下巻の推理小説のそれぞれの上巻」みたいなことをやってくれてます。

 謎が謎を呼びプレイヤーを煙に巻く仕様。
そして個別にシナリオを見たら超難易度。
しかし、それぞれを合わせて見たら少しは…?という絶妙感。

 それらに加えシナリオラストの演出とも相まって、
全然泣ける要素なんて無いのに思わず涙ぐんでしまう程でした。


 プレイヤーの介入という点ではKIDのインフィニティシリーズ等に近いモノがあります。
しかし本作はより一層強い介入を求めます。
プレイヤーが能動的に介入した時、その時こそ、
本作をプレイした人はノベルゲームの枠を越えたゲーム性が感じられることでしょう。

 このへんは「ガンパレ」とかともちょっと近いかもしれません。
もしくは代替現実ゲーム。それをノベルゲームの形でやってるから凄い。


 ところで私はゲームをする際、
どんなジャンルにも関わらず「メモをとる」という性癖を持っています。
一言感想だったり、攻略だったり。

 RPGなどで、時には攻略本にも載ってないような調査とかしたりもします。
「ひぐらし」も例に漏れずメモをとったのですが、これが長い長い。インク1本無くなりました。

 今はまだ完結してないとはいえ解明編も発売され、
多分ネット上ではおおよその議論が為された後だと思います。
まだ間に合うかもしれませんが、当時に参加出来たら最高だったと思います。

 しかし、この私のメモもまた珠玉となるでしょう。
解明編と合わせて照らし出される事件の全貌。何ページにも渡り書き連ねた俺メモ。
多分、自分の書いたこのメモが後で一番面白い事でしょう。
これってやっぱ、最強にゲームじゃない?

 一種の「ノベルゲームの究極の形」を提示した本作。
無論、色々と駄目な点もあると思いますが、その一点だけでも最大限の賛辞を送りたいです。



その他・システムとか 
 音楽はいかにもフリー素材。
システムはいかにもNscript。

 これと言って問題はありませんが、流石に他と比べると見劣りします。
とりあえず気にしない方向で。

 また、ライター自身が書いている絵が驚愕の出来映えですが、これもある意味ミステリー。
これがまた慣れるからミステリーワンスモア。
絵については、他のゲームでもほとんど言及してないので(かのいたる女史でさえ)
これ以上は無言を貫き通します。ノーコメンテーター。



評価 
総合
100
シナリオ
85
音楽 50
萌え 30
泣き 70
エロ -

萌えキャラ:カナ坊

 


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