やった日 06.2/4
絶頂

 I/O



事前情報と購入動機
 私が信者をやっております田中ロミオ氏が企画。

 Ever17やRemember11で見事なトリックを披露した中澤工氏がシナリオ。

 実はビートマニヤな人であり地味にbmsなるものもやってる私ですが、
そのbms界で神的な存在であるonoken氏が音楽担当。

 表紙に騙されて買った、とあるエロ本の表紙(のみ)がsoyosoyo氏。

 と、そんな感じで何故か主要スタッフを知っていた為、期待感は絶頂。
こんなに微妙なメンツなのに知ってるのは何となく縁を感じます。買うしか。



ストーリー概要
 始まりは終わり、終わりが始まるのだ。

 とか何とかそんな感じで曖昧に誤魔化しつつ、エバーとかリメンバーっぽいの。

 サイバー世界と現実世界でおもむろにハッキングしながら誰かが誰かを捜す,
バビロニア神話めいたイマジナリノベルゲーム。意味わからん。


 真面目に申しますと、超リアルネットゲームがある近未来にて、
そのゲームにハマった人達が現実とネトゲを行き来しつつ色々と問題を解決する話。たぶん。



シナリオの感想とか
 とりあえず、微妙。

 ある程度予想はしていたものの、やはり設定やトリックに特化したシナリオでした。
Ever17やRem11で散々見たことだし、そういった作品も好きっちゃあ好きだけど、
何だか今イチ「乗れない」感じ。状況がわからないままに伏線だけが張り巡らされ、
そのせいか話の盛り上がりに欠けるように感じられました。

 謎とか伏線は多ければ多い程、解けた時の感動もまた多く得られます。
しかし、多すぎれば途中でダレるし、上手く消化出来なかったり、
ストーリー自体の面白さで繋ぎ止められなくてもまた途中でダレる要因となります。

 そんな感じで、微妙に世界観に入り込めないまま最後までプレイする事となってしまいました。謎ばっかり追ってて結局テーマとして何が言いたいのか分からないような感覚です。
うーん、何だろう。微妙。ホント微妙。

 謎とかトリック的なモノ自体は良かったです。途中で
「ヤラれた!」
と叫ぶような一撃もありました。謎が氷解する度に訪れる感動は素晴らしいものがありました。

 また、全体的に見ると、謎とか伏線の面では丁寧に説明される為ほとんど解決し、
意外にも分かり易い部類に入ると思います。「Rem11」や「最果てのイマ」と似ている所もあり、
これらの作品をやったことがある人ならばもちろん、
そうでない人でも順当に理解できる物語なのではないでしょうか。

 にも関わらず、
『盛り上がらない』
ホント、そこに尽きます。イマイチ『面白くない』と言い換えても良いです。
ストーリーに対する「引き」が弱いと言うか何と言うか…。
こんな状態ではいくら設定やトリックを練り込んでも、
「はぁ…。そうですか」
としか反応を返せません。こりゃ困った。何故だろう。ホント困った。

 それはキャラクターなのかテキストなのかシナリオなのか。
「先が見たい」と感じさせるだけの「引き」が無い本作は、
ともすれば冗長とも受け取れる印象なのでした。

 最終的には、異常に長い話の為なのか、やはり結局この作品が
どこを目指していたのかも判らなくなってきてしまいました。
もうホント微妙。何もかも微妙。俺の文章も超微妙。

 求めているものが違った。
 心に残る「何か」が欲しかった。
 それはメッセージでも、超絶なトリックでも、単に面白いギャグでも。
 しばらくしても、思い出せるような、心に残るモノが欲しかった。

 そういった点で見て、この作品は「微妙」としか言えなかったのかもしれません。
結局、パンチラとCルート最後の超トリックくらいしか強く印象に残ってない私なのでした。



その他・システムとか 
 KIDに居た筈の人が何故か新しい会社に居る。

 何かしら黒いモノを感じさせますが、演出やシステムは驚いた事に最高峰クラス。
というかまるでKIDのレベル。むむぅ、これはどういうことだ…?協力してるのか…?
黒いの?黒くないの?

 そんな内部的な物はわかりませんが、とにかくシステムは最強でした。
セーブ&ロードも異様に早く、BGM名表示や既読率表示、tipsなどなど、
ほぼ全ての機能が備わっているのではないでしょうか。
ムービーもふんだんに使い、スタイリッシュな世界観に合ったシステム&演出です。◎。

 音楽は期待してましたがあんまり印象に残っていません。
ほとんど主張しないBGMというか、「読ませる」という事に主眼を置いているのかも。
バックグラウンドという意味では素晴らしい出来だと思いますが、
個人的にはonoken氏の手がけるバキバキに主張する音楽も聞きたかったです。
fragment&オープニングムービーは超好きなんですが…。

 絵は微妙。すんごい動きがねぇ絵だぜ!とか最初は思いましたが、
ハードな世界観には合ってると思います。推奨年齢を跳ね上げるかのようなパンチラも(略)

 んで、僕らのろーみっく(注※ロミオ)は……何したんだろう?
イマジナリ・チルドレンとかの「人間的」な方向性の設定はそれっぽいですが。


 そう考えると、すんごい惜しい作品だったと思います。設定とか伏線にこだわると
どうしても感情とか人間的な側面はおざなりになりがちだと思いますが、
それを補うかのようなこの狙いは良かったのに。

 元々はネトゲとかハッキングとか、いかにも機械的な無機質な設定。
それに加えて人間の感情面を表現しようとする方向性。
この2つの方向性が完全に合えば神の作品になり得たのに。無念。南無。



評価 
総合 70
シナリオ 75
音楽 70
萌え 10
泣き 20
エロ パンチラあるよ

萌えキャラ:右の人

半年経っても覚えてる度:60%くらい

 


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