やった日 04.9/25
絶頂

神樹の館



試合前のコメント
 田中ロミオ作品はとりあえず全部買う。そんな勢いで突撃。
していた時期が俺にもありました…。

 館モノらしいが企画は田中ロミオ氏では無いということなので、ちょっと不安。
但し、長編のシナリオ自体はけっこう珍しかったりする。
企画提出よりも、ちゃんとシナリオ書いて下さいロミオさん。



ストーリー概要
 本マニアである主人公の青年が色々な理由で山奥の館に滞在。
怪奇溢れる館の中で巻き起こる事件の数々、という感じ。



シナリオの感想とか
 エロゲには大変珍しい3人称視点、かつ古語を含む難解な言い回し。
昭和の小説的な雰囲気がしまくりです。

 テキストは夏夢夜話に近いかもな感じですが、今作はより難解。
C†Cのような暴走ギャグはほとんど無し。
てか後半は古語辞典を開きながらプレイする羽目に。

 電波なテキストもかなり人を選びますが、
文芸といっても過言では無い程固いテキストで終始進行する今作もまた
人を選ぶ作品なのではないのでしょうか。

 エロシーンですらその調子で進行するのは、ある意味徹底しているというか何というか。
古今東西の本を読み漁ってきたような、書痴という設定の主人公ですが、
このテキストをスラスラ理解するにはプレイヤーも同じくらいの頭が必要かもしれません。
え?俺? 言わずもがなムリですよもう。やですよおまいさん!


 序盤は弟切草チックな雰囲気でしたが、中盤からはわりと淡々と物語が進行。
そんな中盤までは時折、体が震えるような超絶に鳥肌モノのトリック&謎解きがあり
思わず叫んじゃうくらい感動しましたが、シナリオ全体的に見ると
期待してた程そういった要素は少なかったです。
折角館のMAPがあるならそれを生かして何かして欲しかったかも。

 途中の鳥肌だけでも存分に堪能できましたが、後半はそういった要素が少なくなる為
全体的には程々に話としてまとまっているというくらいの印象でした。


 わりと惜しい佳作って感じ。
自分が期待してた館でのミステリ&謎解きカタルシスよりも、
「家・民族・自然と現代」みたいなテーマの方向性だったからかもしれません。

 ただ、期待する方向が私と同じでも中盤までは十分に満足出来るものだと思いますし、
期待する方向が私と違うのならそれはそれで素晴らしい作品になると思います。

 そして、完璧にまとまっている作品でもあります。
プレイヤー側が何もする余地が無い程に書き切られている物語。
そこまで望むのは酷かもしれませんが、何かを想像出来るくらいの隙、
そういったモノが無いと物足りないのは私だけでしょうか。



その他・システムとか 
 システムは選択肢+場所移動方式。特に難しいというワケでもありません。
ただ、上でも述べましたが、複雑怪奇!神樹の館に広がる巨大迷路!
みたいなMAPも出てくるのにシナリオではほとんど触れられていないのは残念。
途中でプロットが変わったような印象も受けます。

 他は大体オーケー。
公式HPにもプログラマがわりと前面に出てきているだけあり、
システム的には良いんじゃないでしょうか。
不具合の対応も早く、メーカーとしての姿勢は好感の持てるものでした。

 余談ですがメーカー処女作だった本作、その後は完全にエロ方向へとシフトして
田中ロミオの炉の字も出てこないのがちょっと泣けてきます。
アレか、商業的に失敗したのか。世はエロなのか。泣ける。



評価 
総合 70
シナリオ 75
音楽 70
萌え 30
泣き 70
エロ 1

最萌えキャラ:竜胆

半年経ても覚えてる度:70%
球体関節人形

 


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